2008年11月8日土曜日

ErstLive 006 & 007のデザイン決定


9月の〈AMPLIFY 2008: light〉でのライブの中から、ErstLiveとしてCD化されるキース・ロウ/宇波拓のデュオ(ErstLive 006:写真左)とキース・ロウのソロ(ErstLive 007:写真右)のカバーデザインが決まりました。カバー写真の椅子は、キッド・アイラック・アート・ホールの観客席。独特のアーティスティックな雰囲気を醸し出していたキッドの会場の黒い壁を生かしたデザインにしました。内側には、ライブの写真も入っています。リリースは、11月末か12月初めの予定です。

このフェスでのキース・ロウ/宇波拓のデュオは、2人の演奏者が互いの音を尊重し、しっかり向き合いながらも、2人の音がその場の「空間」を介して行き来している…という感があって、そのオープンなスペース感覚がとても気に入っています。緊張感が貫いていても強度の密閉感・閉塞感を与える音楽というのは、何か特定の聴き方を一方的にリスナーに強いているような気がして窮屈な感じを覚えるのですが、このデュオの場合は、聴き手に程よい距離感と空間を許していて、こうしてCDで聴いていると、その演奏が起きていた空間に存在した「空気」を、聴き手が自由に好きなように体感できる…という感覚があり、その押し付けがましさのなさが、とても気に入っています。おそらく、このオープンな空気感には、宇波拓のユニークな個性が反映されていて、そこにこの組み合わせだからこその面白さがあるのではと感じます。

2008年10月4日土曜日

AMPLIFY 2008: light 大盛況で終了


キッドアイラックアートホールで開かれた3日間の〈AMPLIFY 2008: light〉フェスティバル、台風や大雨にも関わらず、連日満員御礼となり、大成功のうちに終了することができました。出演者 の皆様とスタッフの皆様、悪天候にも関わらず来場してくださったお客様には、心から感謝しております。いくつか素晴らしいセットもあったので、それらの録 音は〈ErstLive〉のシリーズとしてリリースすることも検討中です。キッドアイラック・ホールの音響の良さにも感動しました。スペースの広さ、場の 雰囲気、観客数など、すべてが理想通りとなり、大変満足しています。

フェスの写真は、下記のサイトに掲載してあります。
http://www.flickr.com/photos/13715378@N00/sets/72157607478052549/

CD化されるライブにつきましては、また詳細が決まり次第、お知らせいたします。

2008年9月7日日曜日

チケット予約状況

AMPLIFY 2008フェスの開催まで、あと2週間になりました。今のところ、3日通しパスの予約購入者はまだ8人ほどですので、当日券がなくなる心配はないと思いますが、これまでの問い合わせ状況をみると、初日の19日に当日券での来場を希望する観客が多そうなので、初日は混雑する可能性があります。会場で着席できる収容人数は、多くても50人程度ですので、来場(着席)希望の方は早めに会場にお越しいただくことをおすすめします。3日通しパスの予約状況は、また日が近くなったらお知らせします。

◇問合せ・前売り予約は、amplify2008 (at) gmail.com まで。

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■会場でのCD販売について

AMPLIFYフェス期間中には、会場でErstwhileのCD販売も行います。レーベルから出ている出演者関連のCDを、シングルCD1500円、2枚組CD2200円で販売する予定ですが、用意する作品の種類や枚数に限りがありますので(1タイトル2、3枚程度)、フェスに来られる方で何か特定のCDの購入を希望される方は、念のため事前にこちらまでご一報いただけましたら、別途確保して持参いたしますので、お知らせ下さい。

2008年8月19日火曜日

AMPLIFY 2008まであと1カ月


9月の〈AMPLIFY 2008〉まであと1カ月ということで、フェスの内容について少し補足を。

元々、アーストワイルで企画していたキース・ロウとSachiko MさんのデュオCDのレコーディングを東京でやろうかということになり、せっかくキース・ロウを日本に呼ぶなら、ついてに小さなフェスティバルもやろうか…という話になり、レーベル恒例の〈AMPLIFY〉フェスをキッド・アイラックで開催する運びになりました。

今回のフェスでは、現在アーストワイルでCD制作を進めている他のプロジェクトも初共演ライブを行う予定で、初日の中村としまる/吉田アミのデュオ、2日目のSachiko Mのコンタクトマイク・ソロ(これも初公演)、3日目のキース・ロウ/Sachiko Mのデュオは、フェスとは別にCD制作も進めています。初日にキース・ロウと初共演する宇波拓さんも、来年か再来年にアネッタ・クレブスとのデュオ作品をアーストワイルからリリースする予定です。たまたま今後予定している新譜のラインナップの多くが日本の演奏者であることとも重なり、今回のフェスティバルはアーストワイルの進行中プロジェクトとも関連深いイベントになりそうです。その他、山内・吉村両氏は同フェス初出演。アーストワイルのCDやイベントで数々の名共演を残してきたキース・ロウ/中村としまるのデュオは、最終日のラストセットを飾ります。

今回のフェスのもう一つの見所としては、欧米では比較的広いスペースで演奏することの多いキース・ロウが、今回キッド・アイラックという大音響を出せない小さめのスペースの会場で、日本の演奏者らとの共演(その多くは初共演)を通し、どんな境地の演奏を展開するだろうかという点にも注目しています。近年のキース・ロウは、特に日本の即興演奏者からの影響を受けていることもあり、今回、日本国内で設定した小スペースで日本の即興演奏者らと集中的に濃い共演の時間を設けることで、キース・ロウ自身の音楽にどんな新たな方向性が見えてくるのか…という点にも期待しています。

2008年7月7日月曜日

AMPLIFY 2008: light フェスティバル詳細


AMPLIFY 2008: light

□日程:2008年9月19日(金)〜21日(日)
□会場:キッド・アイラック・アート・ホール(東京・明大前)
□主催:アーストワイル・レコード

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■9/19(金)
  • 山内桂 solo
  • キース・ロウ/宇波拓
  • 中村としまる/吉田アミ
■9/20(土)
  • 吉村光弘 solo
  • Sachiko M solo(コンタクトマイク)
  • キース・ロウ solo
■9/21(日)
  • キース・ロウ/Sachiko M
  • 山内桂/吉村光弘
  • キース・ロウ/中村としまる
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◇開場 18:30 開演 19:00
◇料金(各日1ドリンク付) 1日券 3,200円 / 3日通しパス 9,000円
(3日通しパスのみ、メールで前売り予約を受け付けます。)

※問合せ・前売り予約は下記まで。
amplify2008 (at) gmail.com

http://home.att.ne.jp/theta/ny-jazz/amplify08_news.html

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■AMPLIFYフェスティバルについて

AMPLIFYは、ニューヨークを拠点とする「アーストワイル・レコード(Erstwhile Records)」の主宰ジョン・アビーのキュレートにより、世界各地で開催される実験・即興音楽の国際フェスティバル。2001年にニューヨークで第1回目AMPLIFYを開催後、02年に東京、03年にニューヨーク、04年にケルンとベルリン、05年にプラハで開催。毎回、同レーベルから作品を発表している演奏家を始め、世界各地の即興演奏家、エレクトロニクス奏者ら、実験音楽シーンをリードする先鋭的なアーティストが出演している。同レーベルは、1999年に設立。今回のフェスで初共演するキース・ロウ/Sachiko M、吉田アミ/中村としまるの各デュオのCDのリリースも、2009年に予定されている。

過去のフェスティバルの詳細はこちら。

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■キース・ロウ 2008年来日に寄せて

1995年と2000年に〈AMM〉のツアーで来日、02年には東京でAMPLIFYフェスに来日。キース・ロウにとって、今回が4度目の来日になる。

「日本の即興シーンからは、私が〈AMM〉で活動を始めた頃に受けた影響をくつがえすほどの大きな影響を受けました。それは、“待つ”ことの重要さや、沈黙の“間”の重要さ、時間の中に音を配置していくのではなく、“波動”として存在する音を意識すること、“自分”という存在と向き合い、その世界を深くシンプルに掘り下げていくような演奏(特にSachiko Mの演奏)、それらは現在の私に計り知れない影響を与えました。私にとって日本を訪れることは、単なる訪問以上の大きな意味があるのです。こうして再び日本を訪れ、私が尊敬する日本の即興演奏家たちと共演できることは、この上ない喜びです。」(キース・ロウ談 2008年6月24日)

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<出演者 略歴>

■キース・ロウ(guitar/electronics)
英国生まれ、フランス在住。プリペアド・ギター、テーブルトップ・ギターの先駆者であり、1965年から英国の伝説的即興グループ〈AMM〉のギタリストとして活躍、欧州即興シーンの先駆的存在として多大な影響を与えてきた。現在はソロ活動の他、世界各地の即興演奏家と精力的にコラボレーションを展開している。

■Sachiko M (sinewaves)
1994年からサンプラー奏者として活躍。1998年、今ままでのスタイルを一変させ、サンプラー自体がもともと持っているテスト・トーン(=サインウェイヴ)を再利用した独自のサンプラー奏法を開始。2000年サインウェイヴだけを使ったエクストリームなソロ『Sine Wave Solo』を発表、各方面からの注目を一気に集める。近作ソロCD「salon de sachiko」(hitorri-111)、サウンドインスタレーション「I'm here」。

■中村としまる (no-input mixing board)
小型オーディオ・ミキサーに帰還に因る発振を起こらしめるようにしむけて、「ノーインプット・ミキシング・ボード」と名づける。それを用いて即興演奏を行う。

■吉田アミ (前衛/文筆/音楽家)
超絶高音ハウリング・ヴォイス奏法の第一人者として国内外で高い評価を受ける。2003年アルスエレクトロニカ、デジタル・ミュージック部門でゴールデンニカを受賞。また、文筆家としてカルチャー誌を中心にレビューや評論を発表、著書に自身の体験をつづったノンフィクション作品『サマースプリング』(太田出版)がある。濃縮雑誌「エクス・ポ」に吉田アミ&雨宮まみ「お悩み相談室」が好評連載中!

■宇波拓 (computer/guitar)
76年、東京出身。ギターなどの弦楽器や、ものの振動を用いた演奏。おもなプロジェクトに、Mattinとの「死霊のコンピューター」や古池寿浩、江崎將史らとの軽音楽バンド「ホース」など。共演者に、ラドゥ・マルファッティ、ジャン=リュック・ギオネ、ロードリ・デイヴィス、杉本拓、大蔵雅彦、中尾勘二ほか多数。hibari music主宰。

■山内桂 (sax)
1954年大分県別府市生まれ。大分市在住。松山の大学でサックスと即興演奏を始める。2002年10月に脱サラし、以降、音楽活動に専念。音そのものの響き、細胞レベルのコミュニケーションによる独自のサウンド・アート“SALMO SAX”を探究し、ソロを中心に国内外で活動中。08年8月、新たな出発点ともいえる「salmosax ensemble」(多重録音)によるCD「祝子(houri)」発表決定。

■吉村光弘 (headphone/microphone feedback)
ヘッドフォン/マイクロフォン・フィードバック奏者。春から初夏の間の夜に聞くことができる虫、「クビキリギス」のような音色で即興演奏を行う。録音作品として、ソロCDに「and so on」、杉本拓とのデュオに「not BGM and so on」などがある。

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※フェスティバルの直前に下記の関連ライブもあるそうです。

◇9/17(水)〈Salmo Rise 4〉@門仲天井ホール
出演/山内桂、中村としまる